一方…

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人骨はよく見ると辺り一面に散乱していた。 様々な所に頭部の骨やら大腿骨まで埋もれていて、幾つもの人間が犠牲になったのか興味を持ったが、数える気にはなれなかった。 「そうか…もしかしたらラルは…あいつは無事じゃないだろうな。」 無意識に口走った言葉に対し、視野が一瞬ぼやけた事が理解出来た。 瞳から頬にかけて雫が一滴…また一滴とぽとぽとと垂れていたが気にもしなかった。 俺の中にただ一つだけ理解出来たこと。それはー ー自分の最愛なる家族を失ったのだという重みだけだった。 その瞬間俺はこの世の不平を呪った。 しかし、幾度こんな人間1人が不平を喚こうと世界がリセットされる訳でもなく、 俺はこうなってしまった原因を知りたくなった。 この世を恨むより誰かがこうしたのならそいつを妬もうと決めた。 ふと視線の先に聖書の表紙の破片を手に持って仁王立ちする人骨が目に入った。 ー直ぐに父の骨であることが分かった。 その骨の腕にリストバンドが巻かれていることに気づいた俺はそいつを手に取り腕にはめた。 「親父…いや、神父様…俺がこの世界を元通りにしてやるよ。」 そういって村を後にした。
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