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特訓を始めて1時間くらい経っただろうか…少しばかりからだが疲労を覚え始めた。
いつもに比べて比較的特訓内容を変えたからかもしれないが今日はこのまま4時間やり続けるのは無理だろうな等と考えながら没頭していると、不意にシェルマンの言葉が脳裏を繰り返し響いた。
万が一と考えると、どうも落ち着かない。
居てもたってもいられず、特訓を一時中断することにし、シェルマンの元に向かう事にした。
この時間のシェルマンの居場所は大方検討がついていたから、シスター服に着替えてそうそうに教会を後にした。
走り出してから10分位したところで草木が増えてきた。
そこらを抜けたところに鏡のように華麗な溜池とその近くに小さな丘らしき所が見えてきた。
そこの丘の上でシェルマンは暇をもらったかのように昼からとすやすや眠っている。
先ほどちょっかいをかけにきた男とは思えない程深い睡眠に入ってるように見えた。
すこし起こすのも申し訳ない気持ちにもなったが、先程の件の蟠りを解消させるべく、容赦なくシェルマンの肩を上下に揺さぶった。
衝撃を受けたシェルマンはあたふたしながら飛び起きるなり、ラルの姿を確認すると、小さく笑った後に
「なんだ、誰かと思えばラムさんではないか。私に何の御用で。それ相当のようでなければ安眠していた私を起こしたのだから暇が講じたから付き合え等では容赦しませんよ。」
と流暢に言い放った。
私は聞かなかった事とし、
「先程の貴方が教会を訪れた時に言い放った言葉は真実でしょうか。」
シェルマンは私の景色を見てから小さく溜息を吐いた後に
「すまない、先程の行いは貴方の察しの通り愚の行いで違いない。私は彼の所存は分からないんだ。只…隣の村にあいつらしき人物が1度訪れたという話を司祭が隣村から聞いたと言っていた。恐らくあいつの事だから無事ではあるだろうかな。」
シェルマンの言動は珍しいものであった。何故ならシェルマンが誰かを気遣いながら話すという事は、未だかつて見たことがなかったからだ。
それ故尚のこと心配になってきた。
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