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私はとっさに彼の名を叫んだ。
「シェルマンさん!逃げてください!何かが近づいています!」
しかしながらシェルマンは先程の件を根に持っているのか
「おや、王子様。次起こす時はくちづけにして下さい。そうしてくれれば白雪姫たる私は目覚めます…zz」
「冗談を言っている場合ではありませんよ!本当に…ここにいては危険です!」
「…。」
話しかけても返事をしてくれない、一貫としてくちづけにこだわっているように見えた。
「…分かりました。やりましょう。」
いを決してくちづけをしようとシェルマンに近づこうとした瞬間にあんなにも遠くにいたはずの黒いものが目の前に現れた。
それは今度は近すぎて何なのかはわからなかったが、このままだとシェルマンが危ないという事は心の奥底で感じていた。
「なんだ…こいつ…まさか…とは……げろ!俺は…助からない…逃げろ!」
シェルマンの声が微かに聞こえる。只逃げろと言う言葉は確かに聞こえた。
「貴方を放っては行けません!」
黒い塊が突然にうなり声を上げた。それにより行きものであるという確かな実感と共に、恐怖が体に身に染みた感じが感じられた。
「逃げろ!はやく!…逃げろ!」
私は訳が分からなくなり、只理解していたのは逃げなければ助からないという事だけだった。先程あんな発言をしていたにも関わらず、私は気が付けばその場から逃れるために走り出していた。
自分にほかの人に危険を知らせなければと言い聞かせながら…
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