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「うん!あ!そうだ!ねぇ、ここから無事に脱出したら来年の同じ日、
10月10日に
地下街の入口で逢おうよ!!
1年後だったら俺、金持ちに成ってるから何でも奢るよ!」
別にイイよ、と
断っても
彼は朗らかに続ける。
「さっきの水、本当に旨かったな!
あんな旨いの生まれて初めてだ!
あなたも
見殺しにせずに
俺の声に応えてくれたね。
ありがとう」
それは心からの感謝の言葉だった。
私はついさっきまで
ひどいことを考えていたのに──
「元気出してよ!
もうすぐ出口だ!
ねぇ、あなたの名前は?」
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