クイーンの行方

20/32
前へ
/32ページ
次へ
次に目覚めた時、 彼はもういなかった。 私は救助隊員に 肩を揺さ振られ 目が覚めた。 いつの間にか眠っていたんだ。 ビショップの広い 背中で。 地上に出られた 私は 1年後のこの日、 約束の場所に行かなかった。 怖かったんだ。 もしビショップが 来なかったら? 私のことなんか忘れていたら? 行きさえしなければ 思い出だけは 美しいままでいられる。 なのに、何故2年後の今日 あの人が逢いに来た、と思うの!? 《ハスティン》がサンスクリット語で ビショップの 別称というだけで!
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加