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病院の待合室の廊下で一人為す術もなく、ただうなだれて座っていた。
真っ暗な闇の中、体が一つも動かない。
一つの雑音も耳に入ってこない。
まるで夢なんじゃないかという位、起きた現実を受け入れられない自分がいた。
体は寒くもないのにカタカタと震えが止まらず、気づけば握りしめた手は血だらけになっていた。
そして、自分の気持ちがはっきり分かったのだ。
本当は生きることを願っていたのだと。
その時、スマホのバイブが異様な音をたて、廊下に響き渡った。
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