こうして僕は、異世界に飛ばされたのが発覚した

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 けれどいつまでもこうしているわけにもいかないので、僕は必死に立とうとする。  しかし体がぶるぶると震えるだけで、一向に立てない。 「もしかして、餅は立てないのか?」 「た、立てるもん。立て……あ」  そこで、仕方がないなといったように、その男が僕の手首を掴んで引っ張り、そのまま肩に担ぎ上げた。  何だが荷物のように扱われている気がして、 「お、下ろせ! お前……」 「なんだ? お姫様抱っこの方が良かったのか? そっちが良いならそうするが? それと俺の名前はセフィルだ」 「セフィル?」 「そうだ。それで、お姫様抱っこの方が良かったのか?」  「……このままでヨロシクオネガイシマス」
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