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「千波矢?」
「………」
すると先輩に千波矢、ともう一度呼ばれた。
なんとなくバツが悪くて、おずおずと先輩の方を向いた。
途端、強引に頭を引き寄せられて、あ、と思った瞬間にはキスされていた。
目を閉じる間もなかった。
一瞬だけの、コーヒー風味のキス。
そんな軽いキスひとつでおれの胸はギュッとなってしまう。
頬が熱くなってしまう。
それなのに、ちょっと首を傾げてこちらを見る先輩の目は、やっぱりからかいを含んで笑っている。
おれの反応を見て楽しんでいる。
どうしてそんなに余裕があるんだろう?
こういうことをするのはおれが初めてじゃないから?
何人もと経験をつんできたから?
それとも、やっぱり、遊びだから……?
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