numero.1

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まだ8月の終わりといっても残暑がきつく、気温のせいか気まずさのせいか体が熱い。 体に滲む汗が、毛穴から吹き出すんじゃないかと思うほどの焦りで、私は会釈をすると、その場から逃げるように立ち去った。 びっくりした。 過去に関係を持ったヒト。 いつの間にか消滅してしまったその関係を、わざわざ自分から掘りかえすこともなかったから。 こうして出会ってしまうと、不思議なことに、記憶に強く刷り込まれるのか。
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