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ある日の穏やかな午後。
いつものようにブラックは昼飯三人前程を平らげて、いつものようにこの噴水広場へ訪れた。
――ある少女を待って。
「と、今日はまだか。そういや第三部隊はまだ軍務残ってんだっけ」
噴水近くにあるベンチに、ぼやきながらどっかりと座る。
満腹感と、ぽかぽかな陽気。
「……んー……、サラが、来るかもしんねぇからなー。
寝る訳にはいかねぇよなぁ……」
『あのね、ブラックに渡したいものがあるの。明日のお昼、いつもの場所で待っててくれない?』
はにかみながらそう言った愛しい少女。
待たねば。
彼女との約束があるのだから。
「いつ来るんだよー……」
満腹感と、ぽかぽか陽気。
絶好の睡眠日和。
「待つからな、オレはぁー……」
そう呟いていた彼の唇からは、穏やかな寝息が聞こえてきた。
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