②ちょっとした仕草が可愛くて

2/6

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
 ある日の穏やかな午後。  いつものようにブラックは昼飯三人前程を平らげて、いつものようにこの噴水広場へ訪れた。  ――ある少女を待って。 「と、今日はまだか。そういや第三部隊はまだ軍務残ってんだっけ」  噴水近くにあるベンチに、ぼやきながらどっかりと座る。  満腹感と、ぽかぽかな陽気。 「……んー……、サラが、来るかもしんねぇからなー。 寝る訳にはいかねぇよなぁ……」 『あのね、ブラックに渡したいものがあるの。明日のお昼、いつもの場所で待っててくれない?』  はにかみながらそう言った愛しい少女。  待たねば。  彼女との約束があるのだから。 「いつ来るんだよー……」  満腹感と、ぽかぽか陽気。  絶好の睡眠日和。 「待つからな、オレはぁー……」  そう呟いていた彼の唇からは、穏やかな寝息が聞こえてきた。 .
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加