そして、あの日に戻ったら……

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テレビから流れてくる懐かしい歌に合わせて、炬燵に座ったままで鼻歌を歌っている。 手鏡と櫛を手に、薄くなった頭髪を整える。 「なぁ、なぁ。右分けが良いかなぁ? 左分けの方がかっこいいかなぁ?」 ずり落ちた銀縁眼鏡を気にする素振りも見せずに、鼻歌を歌いながら私の顔を見つめる。 「……うーん、どうかなぁ? 私はどっちでもかっこいいと思うけど」 目の前の旦那の頭は、バーコードの様な有り様。
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