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今、私の真上にあった白き鉄の屋根が、憎き奴によって持ち上げられていく。
仄暗い陰の中に守られていた我が身も、もうすぐあの小さな太陽のもとに晒され、命を落とすのであろう。
ああ、何たる事であろうか。この一族の英才であり、一族最高の美を持つこの私が、よりにもよってあの汚らしい仇敵の手にかかることになろうとは!
…ついに、私の体を覆っていた暗闇のベールが払われた。見上げることも叶わぬそれは、その場に悠然と立っている。
それは余裕の現れか、いや、好奇心で彼らの領域にノコノコと足を踏み入れ、その結果このように何もできずに怯えている私を嘲笑っているのか。
私はもう死ぬのであろう…しかし、このままただでしんでやるものか!
私は覚悟を奮い立て、一族の翼を広げ飛び立った!目指すはヤツの顔!
ぶーん
「いやああ!まだいる!?死んで下さい!」
ぶしゅー!ああ!煙!?毒だと!?卑怯な!
ぼてっ
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