12月1日

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「はーあ、一年て、ホントに早いですよね?」 私はデスクの上の卓上カレンダーを見つめて言った。 たった今、11月から一枚めくって月を替えたばかりだった。 「ホント、気付けばもう12月だもんね~」 宇野さんが伸びをしながら返事をした。 火曜日。 朝の朝礼前にパソコンの電源を入れたり、自分のデスクの始業の準備中だ。 「ホントにあっという間ですよね。あーあ、もうすぐ年末になっちゃいますね。大掃除も早いうちにしとかなきゃ」 私が浅いため息をつくと、宇野さんが私を軽く睨んだ。 「……何、おばさんくさいこと言ってんの? 大掃除の前に、クリスマスでしょ!クリスマス!!」 彼女は私を叱りつけるように身を乗り出して言った。 「あ、そうですね……」 「そうですね、じゃないわよ。12月のメインイベントでしょ!てか、一年の中でも最大よ!」
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