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「……何?」
「ほら。ナツ、今『未来を予知出来たら』みたいな事言ったでしょ」
「……え、うそ。カホ、未来を予知する方法知ってるの?
……え、え、うそ! ホントに!?
実はそのチカラを使って、テストでいつもいい点が取れるとか!?」
「……いや、そんな食いつかれても困るんだけどさ……」
嘉穂が苦笑混じりに言う。「少し前に、インターネットで、そういう感じの都市伝説みたいなのを見つけたんだよね」
そう言って、嘉穂はベッドの上に置いてあったスマートフォンに手を伸ばした。
画面を指で何度か撫でた後、「あった」と言って、わたしにその画面を見せてくる。
そこには、『過去の自分にメールを送る方法』という文字が、浮かび上がっていた。
「……。何これ。ホントの話なのかな」
真剣な顔でそんな事を訊くわたしがよほどおかしかったのか、嘉穂は「なわけないでしょ」と、ふき出した。
「さっきも言ったけど、ただの都市伝説だって。
『学校のトイレで、何時何分に何番目の扉を何回叩くと、ナントカさんが出てくる』とか、そういう類いのやつ」
「でも、気になるよね。
……ね、ちょっと見せてよ」
「……また、そうやってすぐ勉強サボろうとする……」
「いいじゃん、ちょっとだけ……」
わたしは嘉穂からスマートフォンを受け取って、画面をゆっくりとスクロールさせた。
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