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液晶画面にホコリがついたスマホに、メール着信のお知らせが光った。
ぼくはのそのそとメールを開くと、突然、デコメがド派手に瞬いた。
☆゜+..+゜☆゜+..+゜☆゜+..+゜☆゜+..+゜☆
ぽんぽこぽーん(※SE)
このたび、あなたは時間軸メールのモニターに選ばれました。
モニターとして、未来のあなたとメールで会話ができます。
時間制限はありますが、心ゆくまで楽しんでください。
☆゜+..+゜☆゜+..+゜☆゜+..+゜☆゜+..+゜☆
胡乱げにも程があるその文面を読み終えると、すぐさまメールが届いた。
送信元のアドレスは、ぼく。このスマホからだった。
メールアドレスは同じものはひとつとして無いから、ぼくがぼくに送ったことになる。だけどぼくはそんな覚えは無い。
今現在のぼくは。
『おい。十四歳の俺。届いてるか?』
『五十四歳の俺だ』
『無視するなよ』
『それとも、“十四歳のぼく”って言った方がいいか?』
次々と送られてくるメールに、ぼくは半信半疑になりながらも他にすることが無いので返信した。
「あなたがぼくだっていう証拠は?」
『疑り深いな。じゃあ、お前の部屋の本棚の一段目から、差してある本のタイトルを全部当ててやる』
驚くことに、全問正解だった。
ぼくは信じざるを得なかった。
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