第1章

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ボクは都内の高校に通うごく普通のJKだ と言っても、これと言って特徴も無く 目立つ事も無く、成績もスポーツも中の上くらい 漫画で言うならモブキャラのような存在で 仲間はずれにされる事も無ければ 人の中心になって話す事も無いから いつも、その他大勢の中に存在している またそれに適した性格をしている 何となく今の高校に入学して 何となく進められた大学を目指して 将来は普通のサラリーマンに マイホームを30年ローンで建てて 普通の家庭を持てたら幸せだと漠然と思っている 夢もやりたい事もなく 別にされに対して何の感慨も抱いて居ない モブキャラ的な性格という事になるだろう こうして平坦な人生を送り消えて行くのだろうと思っていた そんなボクにある日 一通の不可解なメールが届いた 件名が「消えてしまう前に」 いつものボクなら間違いなく イタズラかチェーンメールだろうと思い削除するだろうけれど その時は違った 帰宅部で部活にも入っていないボクはたまに同じ帰宅部仲間のクラスメートと カラオケや駅前でウィンドウショッピングをするくらいで 後はネットゲームを軽くする程度の日常だった しかもネットゲームもそこそこでのめり込むことの無い性格なので そこそこ楽しんでいるが直ぐに飽きてしまう これと言って予定が無く、ネットゲームもする気がしないので かといってテレビもラジオも見る気がしない 家族も返りが遅いという条件が重なって、いささか退屈していた そんな絶妙なタイミングで、メールが来たものだから 気まぐれでメールを開いて見た 一体何が消えてしまうんだ? メールの内容はこうだ 「一つの謎を君に伝える、この謎が解くことが出来れば、君は新しい道を歩き出すことが出来るだろう」 「私は君のことを良く知っている」 なんだよ、なんかストーカーっぽいぞ ボクは最初漠然とそう感じたが、次の言葉には驚いた 「君が五歳の時に、妹を庇って背中に熱湯をかぶって火傷したね」 実は、この事を知っているのは、父だけなのだ この事を知っているのは、妹と両親だけで 誰にも話していない 5年前に両親が離婚して以来母と妹には会っていない 父の仕事の都合で三年前にここに引っ越してからも 背中の火傷の事を知るのは父だけだ 父はこんな手の込んだイタズラをするタイプでは無いし 母も妹もとてもメールでイタズラをするタイプでは無い 一体何者なのだ?
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