千里眼

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 こういう力は持ってるけれど、俺も人間だからね。人類の危機は見過ごせないと、できる限りの尽力はした。でも、聞いてもらえないんじゃ仕方がない。  今ならギリギリ対抗策はある。そういう未来も見えたけど、聞く耳持たずじゃ言っても仕方ないから、これっきり俺は口を噤むよ。ああ、ついでに、せっかく進言したのに、後々なかったことにされて『どうして教えなかった』と騒がれるのも嫌だから、黙るついでに行方もくらまそうか。  今は俺にだけ見えている、地球を滅亡させる落下物。そいつが落ちる寸前に姿を現して言ってやるよ。  俺は、嘘つきじゃなかっただろ…ってな。 千里眼…完
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