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「・・・私、青と姉妹になって良かった」
遠く潮騒が微かに聞こえる。
ひとつ布団に寄り添って寝転ぶ青と清。
「そうね。
姉妹になっていなければ、お互いの存在も知ることすらなく生きていたんでしょうね私達」
青は清の少し癖のある髪を撫で、その手を滑らせる様に清の背中へ伸ばす。
青の手の動きにピクリと肌を震わす。
自分の反応に恥じらう様に清は青の胸元へと顔を埋める。
青はそんな清の髪に口づける。
脱ぎ捨てられた皺々の浴衣が窓から射す月明かりに照らされ、まるで漣の様だった。
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