【発端】

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深夜のトイレを済ませて自分の部屋に戻って来ると… 枕元で充電しているスマートフォンに、チカチカとメール受信ランプが灯っていた。 ここは… オレが一人暮らしをしているアパートの部屋。 目覚まし時計を見ると… 深夜の三時ちょっと過ぎ。 いわゆる…『草木も眠るウシミツ時』という時間帯だ。 まあ、こんな時間帯に送られて来るメールは、決して珍しいという訳でもない。 そのほとんどが訳の分からない勧誘とかセールスのメール… もしくは、登録した覚えの無い出会い系サイトからの悪質メールだ。 そういうメールは、当然、無視するのが一番。 見ると、 メールの受信時刻は…案の定、今日の深夜三時ジャストになっていた。 時間的に、オレがトイレに行っている間に送られてきたメールという事になる。 「ハイハイ…。どこにも登録してませんし、何も買うツモリは無いですよぉ」 と、独り言を言いながら一応、そのメールの中身を見てみた。 と… 『緊急告知』 という『件名』が目に飛び込んで来た。 そして… そのメールの『本文』の方を見たオレは… ちょっとだけ、固まった…。 それは… 以下のような文面だった。 『実は、いきなりで済まないがオレは二年後のオレ自身だ。 前置き抜きで言うが、今度の連休中、温泉旅行には絶対に行くな。 行ったら大変な事になるぞ』 「………何だ?こりゃ…」 オレは、目が点になった。
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