第1章

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…ふぅ。 うだるような暑さの中、テストの居残り補習に集中出来なくてペンを置く。 携帯を担任の鈴木に見つからないように開いて、セフレの加奈に今夜どうかとメールを打ってから、窓の外を眺めた。 「おい、宮島!お前が最後だぞ、集中しろ!」 鈴木が明らかにイライラしたようにそう言った。 「……」 その態度にイライラしたし、教室に最後の1人ってのがダメな奴みてぇで嫌だったから無言で席を立つ。 「おい、何処に行く!」 「補習明日もあるんだよな?明日また来るわ。」 「…わかった、約束だぞ。」 ふざけんな!! と、いつもの鈴木なら怒鳴っていただろうが、俺1人の為に残るのが鈴木も嫌なのかアッサリと了承してくれた。 俺は鞄を手に、教室を後にする。 ピロリロリ! その時、丁度携帯が鳴って確認すると、加奈からごめん!今日は無理!と一言だけメールが入っていた。 チッ… まぁ、しょうがねぇか。 そう、割り切って廊下を歩いていると… 『おい、早く歩けよ』 『マジでやんの?ヤバくね?』 『大丈夫、被服室の前のトイレマジで誰も使わねーから。』 前から歩いてくる、小煩い集団とすれ違う。 『………』 その集団も、俺と目が合うと途端に静かになった。 ……ん? そして、その集団の最後尾に体育のハーフパンツとワイシャツだけの姿の、明らかに雰囲気の違う奴が引きずられるように引っ張られている。 確かあいつは同じクラスの… そう、山崎だ。 確か、病気で生まれつき声が出せないとか何とか…。 細かく震えて、辛そうに下を向いていた。 病気で虐められるとはお気の毒な奴…まぁ、俺には関係ねーけど。 補習と加奈の件で不機嫌だったのもあり、そのまま余り気にも留めずに学校を後にした。
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