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その後、適当にコンビニで漫画雑誌を買ってから帰った。
こんなに退屈な放課後は久し振りだった。
まぁ、俺だけ補習が終わらず残ってたのが悪ぃんだけど…。
帰ってからも暇で、日課の筋トレをして風呂に入って、飯食って、買って来た漫画雑誌を読んで…
はぁ。
退屈なまま適当に眠くなったから、そのまま寝ようか。
そう思っていると、部屋のドアがノックされた。
「あ?」
『あ?じゃないよ!自分の部屋位しっかり片付けたらどうなの?』
ドアを開けて入ってきて、開口一番お袋が説教してくる。
「…はいはい、用事はそれだけ?」
『ったくもう…。山崎君って子知ってる?』
山崎…
「おう、同じクラスにいるけどその山崎?」
『ええ…。今日学校行ったきり、姿が見えないみたいで…山崎君のお母さんが電話掛けて回ってるみたいなんだけどね…』
…は?
『心配よねぇ…何かに巻き込まれて無いと良いけど…。まさか、あんたみたいに夜遊びしてたりして。』
山崎の事を見た事も無いのに、そう言うお袋。
どう見たって夜遊びするタイプじゃねぇよな…。
ひとりぼっちで、いつも俯いて本を読んでる山崎が脳内を巡る。
時計に目をやる。
深夜の12時少し手前だ…。
その時、不意に放課後見た集団に引きずられる山崎を思い出す。
…まさか…。
「俺、ちょっと探して見るわ。」
『仲良い子なの?』
「全然、喋った事もねぇよ。丁度暇だし心当たりがあるからな。」
『暇ってあんた、時間見なさいよ!』
「大丈夫大丈夫!んじゃな!」
『ちょっと…!気を付けるのよ!』
引き取めようとしたが、無駄だと諦めたお袋がそのまま俺を見送った。
良い暇つぶしが出来た。
俺はその程度に思いながら、スウェットのまま学校へ向かった。
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