第7章 海賊募集します

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なんだ? 想像と違うぞ!? 皆、かっこいい海賊に憧れるんじゃねえのか? 俺は横に座るブルグンに怒鳴る!! 「ブルグン!なぜ、誰も来ない!?」 「へっ?」 へっ?じゃないだろ!!不死身の海賊ジークが仲間を集(ツド)っているんじゃねえのか!? 俺は酒場の一角にブルグンと陣取っている。店には大金を握らせているので、とくに文句は言われない。 しかし、誰も来ないのだ…… 「本当にあいつら仲間を探しに行ってるのか?」 あいつらとは、パウルとの戦いで生き残ったブルグンの子分達だ。 その子分達が今日ここで、不死身の海賊ジークが仲間を集(ツド)っている事を話して回っているはずなのだ。 「まさか、昨日あれだけ遊んどいて、今日も遊び呆けているんじゃなかろうなっ!?」 俺は昨日ブルグン達だけ、あの綺麗なお姉様方といい思いをした事を根に持っている。 「そいつは大丈夫でさぁ。あいつらもう遊ぶような金は持っていません」 「そうか……って何ぃ!?」 なんだと?あいつら、昨日一晩であれだけの大金を使ったのか? 一人、200ピース・オブ・エイト近くは持っていたはずだろ!? まだピース・オブ・エイトの単位や、このゲーム世界の物価がよく分からないが、昨日ベルンにさりげなく聞いたのだ。 ベルンは、なぜそのような事を聞くのだろうという不思議そうな顔をしたが、いろいろと教えてくれた。 どうも1ピース・オブ・エイトは牛が半頭ぐらい買えるお金らしい。つまり2ピース・オブ・エイトで牛一頭だ! 逆にこの世界では牛一頭の価値が低いのかもしれないが、200ピース・オブ・エイトは牛が100頭買えるのだぞ!! あいつら一晩で牛が100頭買えるほど遊んだのか? 牛100頭分の遊びってどんなだ!? 「おっ、来ましたぜ!?」 ブルグンが言う。どうもブルグンの子分が新しい仲間を連れて来たようだ…… ……つ、連れて来たようだ。 ど……どうしてだ?想像と違う……
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