第7章 海賊募集します

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なんだよ!それ!!この【海賊GAME】が根底から崩れるだろうがっ!! そんな皆から嫌われる職業をゲームにするなぁっ!! 普通、ゲームの主人公は皆の憧れの的だろうがぁ!! そうだ!勇者とか!! ゲームの中でも子供が「勇者様みたいになりたい」とか言ってるじゃねえか!! 誰もなり手が無いから、無理やりさらってくるなんてゲーム、聞いたことがないわ!! 今までのゲームで……誰もなりたがらないから、どっからかさらってきた人間に無理やり勇者をやらせるなんてゲームがあったか!? 今から名前を【海賊GAME】から【海の勇者GAME】に変えろよ!!そんな皆から忌み嫌われる職業のゲームなんかしたくないわっ!! 今の俺には、そんな人々から忌み嫌われる職業と言うのがパッとは思いつかないが、例えば、ドブをさらって掃除をする職業があったとして、皆がその職業を嫌っているとしよう……この【海賊GAME】はそういう職業を題材にしてる訳だぞ!!言うならば【ドブさらいGAME】だ!! ……へ、へ、へ、この論法には少し無理があったな……俺は自嘲的に笑う。 こんな所で待っていても時間の無駄だと思い、俺は昨日遊べなかった分、今日遊ぼうと思い、この場を立ち去ろうとする…… 「新しいのが来ましたぜ」 俺は仕方なくそちらを見る。今度はハゲたおっさんでも来たかと思えば…… スラリと逞しい若い男性だ!!若いといっても俺より十は年上だろう。 背中にはでっかい剣を背負っている!! ぬははははっ!! 俺はその逞しい男を見て笑う。 知っているぞ!!俺は知っている! あの剣は!!あの剣はカトラスでは……無い!!!! つまりこの男は特別なキャラだ!! こういうゲームで、その他大勢とは違う武器を使う!! それはこいつがザコキャラではない事を物語っている!! それが証拠に最強キャラに近いベルンは、レイピアという一人かっこいい武器を持っている。 「ここに来れば、あの海賊ジークさんのお仲間にして頂けると聞いたのですが……」 その特別キャラは言った。
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