6人が本棚に入れています
本棚に追加
いくら莫大な金が動くといっても、それだけで一生食べていくことは難しい。
人は欲深い生き物だから。お金が手に入って、倹約できる人間など、全体の何割だろうか。
これだけで、一生食べていこうと思っても、実際にはうまくいかないことが多かった。
そのために、架空の戸籍を本物の戸籍に変えるというビジネスも生まれ。
生まれ持った名前の売買と、架空の戸籍の販売の目的で、宵闇街は作られた。
架空の戸籍を買い取ったものは、生まれ持った戸籍とは違い、かなり安価で手に入る。
そのため、売ったお金から引く形で新たに戸籍を得る者も多い。
しかし、架空の戸籍は、信用が薄くなるため、借金はしにくくなるし、再就職もしづらくなるが、両方ともできないわけではない。
借金はある条件を満たしていけば、信用がついてできるようになるといわれているし。
再就職は、架空の戸籍の方が、信用の問題もあって、低賃金で雇えるために、中小企業では積極的に雇用する場合もあり、完全に不利になるとは言い難い現実もあった。
そして、名前の信用は、信用情報機関に登録され、簡単に照会することができるため、隠し通すことはできなかった。
最初のコメントを投稿しよう!