第1章

4/10
前へ
/10ページ
次へ
俺は今、カツ丼なんて食べたくねぇ…。 わかったよ…。 お姉さんの為に食べましょう。行くよ、そう声をかけて、お姉さんと定食屋に行く。 定食屋のおやっさんにカツ丼2つって言って席につく。 「兄ちゃん、凄いねぇ。大盛りにしてやろうか?」 「いいえ…あの、普通のを2つお願いします。」 こちらにいらっしゃるお姉さんは…見えないよなぁ…。チラッとお姉さんを見る。 おいおい…何だよ、その笑顔。 (ありがとう。優しい子。) !! なっ…!そんな顔をすんな。 …ったく、しょうがねぇなぁ。お姉さんの手を取って意識をダイブさせる。 いいよ。カツ丼を食べる間だけね。 2つのカツ丼を食べるお姉さん?俺?見た目は俺。意識の一部はお姉さん。 「もう、いいでしょ?」 定食屋を出て、お姉さんに言うと (ありがとう。優しい子。) って、俺の頭を撫でて消えた。 はぁ~。勘弁してくれ…。実はこんなのも日常茶飯事。 だって…シカト出来ねぇじゃん…。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加