第1章

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おっ!前方を行くのは…やべぇ…確か前にも会ったことがある。こいつら切ないこじらせカップル…正確にはまだカップルではないね…だけど、たぶん両想い。彼女の想いに気づかない鈍感野郎と片想いだと思ってる…あ、こっちも鈍感女だ。このふたりは幼なじみらしい。 「明日、試合見に来る?」 「うん。」 (行くよ。りっくん…お弁当どうするのかな。) 「あのさ」 (弁当作ってなんて言ったら引かれるかな…) 言え!今すぐ言え!早く言え! 「何?りっくん。」 (どうしたんだろう…。まさか…彼女が出来たとか言わないよね…。) 「いや…何でもない。明日頑張るよ。応援よろしくな。」 (はぁ~。俺…のバカ…。) 「うん。みんなで応援するから。」 何で気づかねぇんだよ!その子はお前が好きなの! 早く気づかないと逃すぞ! 「まゆ」 (あ~。俺…お前が) 「ん?」 (りっくん…) 「あ、明日、試合終わったら家こいよ。母さんがまゆにケーキ作ってくれるって。」 (お、思い出して良かった…あぶねぇ…母さんからの伝言忘れるとこだった…はぁ。) 「うん。楽しみ。」 (りっくんとケーキが食べられる。ありがとう。おばさん。) 「何だよ。試合よりケーキかよ。」 (まあ…まゆとケーキ食べられるし。…クリームついてるよ…ペロッ…ぬは~!やめい!バカ俺!俺は変態じゃねぇ!) 「違うよぉ~。」 アハハハと笑うふたり…女の子は片想いだと思ってる…マジ切ねぇ~。 てか、早く言え!変な妄想、駄々漏れだっつーの! まあ~くっつくと思うけど。これが青春てもんですかね。
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