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おっ!前方を行くのは…やべぇ…確か前にも会ったことがある。こいつら切ないこじらせカップル…正確にはまだカップルではないね…だけど、たぶん両想い。彼女の想いに気づかない鈍感野郎と片想いだと思ってる…あ、こっちも鈍感女だ。このふたりは幼なじみらしい。
「明日、試合見に来る?」
「うん。」
(行くよ。りっくん…お弁当どうするのかな。)
「あのさ」
(弁当作ってなんて言ったら引かれるかな…)
言え!今すぐ言え!早く言え!
「何?りっくん。」
(どうしたんだろう…。まさか…彼女が出来たとか言わないよね…。)
「いや…何でもない。明日頑張るよ。応援よろしくな。」
(はぁ~。俺…のバカ…。)
「うん。みんなで応援するから。」
何で気づかねぇんだよ!その子はお前が好きなの!
早く気づかないと逃すぞ!
「まゆ」
(あ~。俺…お前が)
「ん?」
(りっくん…)
「あ、明日、試合終わったら家こいよ。母さんがまゆにケーキ作ってくれるって。」
(お、思い出して良かった…あぶねぇ…母さんからの伝言忘れるとこだった…はぁ。)
「うん。楽しみ。」
(りっくんとケーキが食べられる。ありがとう。おばさん。)
「何だよ。試合よりケーキかよ。」
(まあ…まゆとケーキ食べられるし。…クリームついてるよ…ペロッ…ぬは~!やめい!バカ俺!俺は変態じゃねぇ!)
「違うよぉ~。」
アハハハと笑うふたり…女の子は片想いだと思ってる…マジ切ねぇ~。
てか、早く言え!変な妄想、駄々漏れだっつーの!
まあ~くっつくと思うけど。これが青春てもんですかね。
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