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「いや、こんな下衆な話聞かされるとは思わないもん…」
泣きが入った。ヤワな奴だ。
「アキ…」
俺は逃げられないように彼女の身体をしっかりと押さえ込み、甘い声で囁きながら宥めるように優しく彼女の身体を弄んだ。
「アキは俺のこと何とも思ってないかもしれないけど」
「そんなこと…」
ある、ともない、とも言いづらいらしくアキは口ごもった。
「俺は好きなんだ。…好きだよ、ずっと。…アキ」
「あっ、あ…あん」
アキの身体が蕩けるように激しく反応した。俺は思い切って深く指を入れて、彼女の中を探った。アキは激しく喘ぎ、身体を震わせた。
ここまで来たらあと一歩。焦ることはない。俺はゆっくりと彼女の受け入れ体制を高めようと本腰を入れ始めた。
ここまでしても、意外なことに彼女の心の中に俺への嫌悪は全く見られなかった。こんな時なのに俺は少し感動して、彼女への愛おしさが込み上げたほどだった。その心に終始渦巻いていたのは、戸惑いと混乱、何とかしなければと目まぐるしく動く思考、焦り、そしてタツルのこと。
『先輩…』
その瞬間快感が再び押し寄せてきて、喘ぐ。
『ああ、でも。…先輩はわたしのことなんか、本当はどうでもいいのかもしれないし』
あんまりそうは思わないが、タツルに助け舟など絶対に出すことはない。
『キスした後も結局何にも言ってくれなかったし。少しでも気持ちがあるんなら何か言ってくれても』
おお、そうなのか。これはこっちに有利になる事実だ。しかし馬鹿だなぁ、タツル。
『大体先輩なんか、あと一週間で離ればなれになるかもしれないのに何にも言ってくれないし。今日だってあたしのとこに来てもくれない。あとたった一週間なのに!』
何故かアキの頭の中が本筋を離れた怒りで一杯になって現在の状況を忘れる。いや、そうじゃなくて。
「アキ、俺のことだけ考えて」
抱き寄せて優しく唇にキスする。アキの快感で蕩けた場所に入れた指を柔らかく動かしながら、そっと尋ねる。
「…挿れていい?」
「駄目」
速攻拒絶された。でも、身体の反応は全然駄目そうじゃないけど。
「アキ、俺なら絶対、アキのこと大切にするよ」
俺は必死でかき口説く。
「あと一週間で終わりなんて俺には無理だよ。アキが霊でも、転生してても絶対に俺はアキを探すから。どんなことをしてもまたそばに行くよ。だから、一緒になろう」
覆い被さって、強く固く抱きしめる。
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