ジュンタくんのちょっとクズな話

17/26
前へ
/32ページ
次へ
俺は本気だった。このまま二度と会えないなんて絶対に無理。何とか離れずにいられる方法を探し出すつもりだった。 意外なことに、アキはほんの少しぐらついた。タツルの気持ちに対してよほど確信が持てないでいるらしい。そこに俺の心身に渡る怒濤の攻撃が少なからぬ効果を生んだのだ。 『ああ…、このまま…。ジュンタさんのものになっちゃおうか』 よくやった自分! 『わたしもジュンタさんのこと、好きだし。こうしてても嫌ってわけでもないし。わたしのこと好きって言ってくれるし』 「そうだよ」 俺は攻撃の手を止め、再び抱きしめて唇を重ねた。驚くべきことにアキは遠慮がちにキスを返してきた。ああ、生きててよかった。生きてないけど。 「好きだよ、アキ。愛してる」 じゃあ、挿れてもいいかな。そう思って脚を開こうとすると、彼女は一転首を激しく振って抵抗する。え、何で駄目? 「やっぱり駄目…」 ぽつりと呟き、顔を覆う。戸惑う俺の頭の中にアキの声が響く。 『先輩が悲しむ』 『ううん、違う。例え先輩が何とも思わなくても』 『わたしには…』 「そんな」 思わず声に出してしまう。 「俺だって…、アキのこと好きなのに。無理だよ。…止められないよ。もう…」 アキを押さえつけるようにして、再び身体をまさぐる。アキが声をあげて身体を震わせた。 「ああ…、」 『駄目だ。このままじゃ』 『ジュンタさんのペースだ。逃げられなくなる』 『何とかしなきゃ』 「いやしなくていいから」 囁きながら、攻撃の手は緩めない。 「このままでいいから。俺のものになって」 「そういうわけには…」 「タツルに知られたくない?」 それは図星だったらしく、アキは一瞬ひるむ。 「考えてること読まれるから、困るんでしょ。大丈夫だよ、どうしても知られたくないことをガードするにはちゃんとやり方があるんだ。ここだけの話だけど」 悪魔の囁きを俺は彼女の耳に吹き込む。 「あと一週間だもんね、タツルに何でもかんでも知らせる必要なんてないよ。ここはあったことは隠して平和に終わらせよう。それから何年かかっても俺が迎えに行くから。それまでただ待っててくれればいい」 アキの感じやすい場所を弄びながら耳に舌を這わせる。抑えきれず声をあげるアキ。 よし、もうここまで来れば。 行ける。 『いや駄目だってば、こんなの。こんな風になしくずしに関係持って、先輩の顔このあとちゃんと見られるの?』
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加