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俺は本気だった。このまま二度と会えないなんて絶対に無理。何とか離れずにいられる方法を探し出すつもりだった。
意外なことに、アキはほんの少しぐらついた。タツルの気持ちに対してよほど確信が持てないでいるらしい。そこに俺の心身に渡る怒濤の攻撃が少なからぬ効果を生んだのだ。
『ああ…、このまま…。ジュンタさんのものになっちゃおうか』
よくやった自分!
『わたしもジュンタさんのこと、好きだし。こうしてても嫌ってわけでもないし。わたしのこと好きって言ってくれるし』
「そうだよ」
俺は攻撃の手を止め、再び抱きしめて唇を重ねた。驚くべきことにアキは遠慮がちにキスを返してきた。ああ、生きててよかった。生きてないけど。
「好きだよ、アキ。愛してる」
じゃあ、挿れてもいいかな。そう思って脚を開こうとすると、彼女は一転首を激しく振って抵抗する。え、何で駄目?
「やっぱり駄目…」
ぽつりと呟き、顔を覆う。戸惑う俺の頭の中にアキの声が響く。
『先輩が悲しむ』
『ううん、違う。例え先輩が何とも思わなくても』
『わたしには…』
「そんな」
思わず声に出してしまう。
「俺だって…、アキのこと好きなのに。無理だよ。…止められないよ。もう…」
アキを押さえつけるようにして、再び身体をまさぐる。アキが声をあげて身体を震わせた。
「ああ…、」
『駄目だ。このままじゃ』
『ジュンタさんのペースだ。逃げられなくなる』
『何とかしなきゃ』
「いやしなくていいから」
囁きながら、攻撃の手は緩めない。
「このままでいいから。俺のものになって」
「そういうわけには…」
「タツルに知られたくない?」
それは図星だったらしく、アキは一瞬ひるむ。
「考えてること読まれるから、困るんでしょ。大丈夫だよ、どうしても知られたくないことをガードするにはちゃんとやり方があるんだ。ここだけの話だけど」
悪魔の囁きを俺は彼女の耳に吹き込む。
「あと一週間だもんね、タツルに何でもかんでも知らせる必要なんてないよ。ここはあったことは隠して平和に終わらせよう。それから何年かかっても俺が迎えに行くから。それまでただ待っててくれればいい」
アキの感じやすい場所を弄びながら耳に舌を這わせる。抑えきれず声をあげるアキ。
よし、もうここまで来れば。
行ける。
『いや駄目だってば、こんなの。こんな風になしくずしに関係持って、先輩の顔このあとちゃんと見られるの?』
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