相手の気持ち

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私は、こんな風に追い詰められた。 多分、王子様以外、わざとじゃないのだろう。 「よくやった。大地。」 「いえいえ。心ちゃんのおかげですよ。」 「ほぉ。」 ここまでは、良かった。ぜーんぜん良かった。 次からだ。 「えぇ。七番隊隊長に気をつけろって。」 「ほぉ。預言者のようじゃのう。」 ここまでの会話は、王様と大地、二人の会話だ。 「そうか。だから、こちらを見てきたのか。」 「元七番隊さん。それって?」 「王子。七番隊ではありません。七番隊隊長です。」 「だからね。僕が聞いているのは、そうじゃなくて……。」 「心でも、見透かされたようでした。」 「心?そう言えば、心を見る研究してたよね。」 七番隊隊長と王子様の会話。 やべ。 ばれる。 私は、一人焦った。 ニヤリと笑って見てくる王子様。 な。 頭の回転が早いらしい。この王子様。 わかってんな。こいつ。 だって。 心が言ってるもの。 「心、読めるんでしょー。」 うわ、私の反応見て、ニヤニヤしてやがる。 こいつの、性格の悪さは筋金入りらしい。 「心が読めるなんたらかんたら言ってたよね。心ちゃん。」 大地。 あ、知ってやがった。 大切なところ聞いてやがった。 私はバカだ……。 こんな奴にポロリが聞こえていたなんて。 ポーカーフェイスは得意じゃない。
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