悪魔の手を持つ天使に願い事を

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(いや、それは大いに違うと思います!)私は心のなかで反論した。 「二つ目の質問は、あなたが神に救いを求めていたからです。人間の強い祈りは、天国のコールセンターに届くのです」 (それは1分あたり幾らの通話料金なのだろうか?)私は心のなかで天国の通話料金プランが心配になった。 「三つ目の質問は、あなたから報酬を頂きません」  天使がニッコリと口角を上げた。(だから、眼が笑っていないから!) 「ちょっと待ってください」私はしばしシンキングタイムを取った。  天使は勝手に注文ブザーを押して、ランチセット&フリードリンクを注文している。  天使がスープとサラダを持ってくる間に、私は願い事を決めることができた。 「決まりました。他人を操れる力にします」  私は天使に告げた。  天使がサラダを頬ばりながら「それで、よろしゅうございますか?」 「はい。それでお願いします」 「それでは、その『万神の手』に触って、あなたが叶えたい願い事を祈ってくださいな」  スープを上品に飲む天使が促すので、テーブルにおかれた温もりの残っている『万神の手』に触れた。  そして、一心に願い事を祈った。それは──
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