成人式

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私は、この力は、列車事故の時からだとほぼ確信していた。 あの事故の時、私は頭を強打して、暫し失神していて―――その時に、頭に火花が散って、『何か』が切り替わった感覚があったのだ。 その時から、私は、自在に過去へ戻れるようになった―――『列車事故』以降という限定で。 つまり、あの能力が目覚めた時から過去へは、遡れない。 あの人が死んだあとは、何度も巻き戻った。どうにかしてあの人を助けられないかと四方八方手を尽くして―――でも駄目だった。 変えられなかった。 結局、何度も、巻き戻った私には、あの人の死が突きつけられた。葬式をした回数は、十度以上。そのたびに悲しみと無力感に泣いた。どうにも、ならなかった。 あの人の死を受け入れるまでに、時間がかかった。 でも―――だったら、せめて。 私は思う。 あの人の、最後の願いを叶えてあげたかった。
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