2人が本棚に入れています
本棚に追加
「おいおい梨花……」
「今日は随分とアクティブだね」
「昨日の夜、お母さんと喧嘩したの!」
「ああ、それで」
「ストレス発散に悪いことしよう、みたいな感じなのかな。だったらいつも通りだ」
肩を落としながらも、慣れてしまったからか悪い気はせず、俺たちは古井戸の横で待ち構えている梨花のところへと急いだ。
別にのんびりしていても怒られはしないものの、女子を待たせる、という行為が本能的に嫌なのだろう。
三人揃えば、彼女は恐る恐るといったふうな手で、古井戸にかかっている板をずらす。
ようやく中が覗きこめるようになったのだが、そうした俺たちが見たのは、猫かなにかの死骸だった。
干乾びた古井戸の底には、動物の死骸と、ロープにつながれた桶、そして枯れ葉や石ころが多く見受けられる。
最初のコメントを投稿しよう!