(一)
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美しい顔立ち。 少し華奢だが手足が長く整った後ろ姿。 もしかしてあの男なのかと思ったが、違ったようだ。 しかし、あやかし…とは何のことを言っていたのか? 明生は船頭の走り去った方向を見つめて息をついた。 約束の時間…午後六時半までまだ三十分近くある。他の船頭たちも次々に帰っていき、誰もいなくなった船着場の石段に腰掛けて待つことにした。
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