第1話

だから

｢おはよう｣

｢おはよう、あら今日は制服着てるのね？偉いわ!｣

朝起きて、久しぶりに制服を着てリビングに顔を出すと野菜を洗っていた母さんが優しい笑顔を向けてくれた。

昨日の出来事が嘘みたいだ。

｢朝食置いてあるから食べちゃいなさい｣

｢うん｣

僕はちゃぶ台の上に置かれた食パンにかぶりつく､片面が焦げていた。

もう何日も食事をしていなかったことを思い出した。

｢美味しい？｣

｢美味しいよ｣

そう言って僕は焦げたパンを飲み込んだ。