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ずっとずっと、逃げ続けてきた。
自分が一番可愛いから、自分さえ良ければそれでいいから。
一度知ってしまったらもう元の関係には戻れない。
あとはもう離れていくだけ。
「行ってきます」
僕が玄関を出て歩き出して数秒後にドアが音を立てて自然と閉まる。
その音を聞いて僕は振り返った。
そして小さく、家の中にいる母さんに向かって呟いた。
「さようなら、母さん」
その日、僕は嘘をついた。
もうこの家には帰らないことにした、つまり家出だ。
さて、どこに行こうか…なんて、決まってるよね。
無人島に行こう。
完
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