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しかしそれだけで啓介たちが怒っている訳ではなかった。
伸二は点を取るのが仕事のCF(センターフォワード)のポジションを任されながら、点につながるシュートをほとんど打てないでいたからだ。
シュートを打たないことには、ゴールが決められるはずがなく、フォワードとしては怠慢だと言われても仕方なかったのだ。
今大会、毎回試合が終わるたびに、
「シュートを打とう」と監督や仲間からなんども励まされてきたが、
そのたびに期待を裏切り、
今日、
こんな形で最後の試合を終えてしまったのだ。
「本当にすまん、
俺なんてサッカーやる資格無いよな」
伸二は自分に絶望し、
ほとんどチームメイトと会話をすることもなく、
一人グランドを後にした。
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