第4章 友達

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実はこのコースは伸二と啓介が共に3年間走ってきたコースだった。 イタリア行きが決まっていた啓介は、 高校サッカー引退後も欠さずランニングを続けていたため、 同じコースをいつもの時間に走れば会うのは必然だったのだ。 「ボルトムントのセレクションを受けることしたんだって?」 鬼軍曹から聞いていたのか、 啓介はセレクションの話を知っていた。 「調子はどうなんだ?」 啓介の方はどうやらわだかまりもなく、 どちらかというと伸二を心配している様子だった。 そんな啓介の気持ちをなんとなく感じながらも、 伸二は引っ込みがつかず何も答えられなかった。 本当は伸二も、 再びサッカーに打ち込むようになってから、 謝りたい気持ちになっていた。 そんな気持ちが伸二にランニングのコースを変えさせたのかもしれなかった。
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