第5章 夢のまた夢

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列を見渡すとどの選手も精悍な顔に見え、 危うく尻込みしてしまいそうだ。 伸二は、不意に列の向こうに知った顔を見つけた。 (「あいつは谷崎健二だ!」) 伸二が谷崎の事を知らないはずがなかった。 谷崎は今年の高校サッカー選手権大会優勝にして、 得点王に輝いた選手で、 同じフォワードとしてもちろんチェックしていた。 伸二はこの谷崎とたった1枚の切符を争うことになりそうだった。 その後チーム分けが行われ、 伸二は谷崎とは別のチームに振り分けられた。 各チーム15名、 午前と午後の二回の練習試合で評価が決められる。 サッカーは11名で行うため、 場合によっては途中交代もありうる状況だった。
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