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「ピーー」
ホイッスルとともに午前の部の練習試合がスタートした。
早い段階で1点決めておきたい伸二は積極的にボールをもらいに行くが、
なかなかボールが回ってこない。
また回ってきても誰もが必至でディフェンスして来るため、
バックパスをするのが精いっぱいの状況が続いた。
さすがセレクションに呼ばれただけの事があって、
選手のテクニックは並外れた物があった。
しかし各々がアピールをしたいために、
多くの選手が長く持ちすぎてチャンスを逃してしまっている、
そう感じていた伸二はチームプレイに徹した。
その中で、
ひときわ輝いていたのが谷崎だった。
他の選手がいくらアピールをしたくても、
そこにパスを出さなければかえって評価を落としてしまう、
誰もがそう感じるほど谷崎のポジション取りは絶妙で、
質が高かった。
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