第2章 伸二の夢

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「おー伸二、 ちゃんと残っていたな」 放課後一人で教室に残っていた伸二は、 鬼軍曹の意外な優しい口調に驚いた。 「授業中に眠ってしまってすみません」 優しい口調に気味悪さを覚えながらも、 鬼軍曹の怖さを良く知る伸二は、この後の展開を少しでも楽にしようと先手を打った。 しかし鬼軍曹の言葉は、 伸二の思惑とは全く違っていた。 「伸二、 残ってもらったのはなー、 そのことじゃないんだ」 「え?じゃ、 ほかに何かやらかしましたか?」 鬼軍曹は、 今度はある意味で予想していた言葉を口にした。 「啓介が春からイタリアに行くことになったぞ」
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