第2章 伸二の夢

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伸二はその言葉に驚きはしなかったが、 内心焦る気持ちを抑えることはできなかった。 啓介は選手権大会で、 10得点・3アシスト、 さらに得点にはならなかったが、 伸二にも何度となく決定機をアシストしていたことが評価され、 県の準優勝校とはいえ、 イタリアのクラブチームの目に留まったのだ。 一方伸二はCFでありながら、 2アシスト・得点無しと目立たなかったために、どのクラブチームからも声がかかっていない。 この程度の成績なら、 全国大会で勝ち進んでもお声がかかるのは難しいだろう。 伸二はあんなミスをした自分が、性懲りもなく焦る姿を鬼軍曹に見せたくなかった。
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