Roop

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以前に体験したような既視感。 デジャヴか……。 よくあることなのだろう。最近特に感じやすくなった。 彼女と喧嘩をするたび、俺は悪くないと思っているのにどういうわけか彼女に言いくるめられて謝ってしまう。 彼女はこんな女だったのだろうか。これが本性なのか。 怒って目の前を早足で歩いている彼女の背中を見ながら念じる。 「ごめんね。さっきは私が言い過ぎたみたい。」 振り向いて笑顔を見せると腕に小さな身体を預けてくる。 肩に頭を乗せ、甘えてくる。 「いや、俺も悪かったからいいんだ。」
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