第1章

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そして俺たちは二人並んで自分たちの教室へ向かった。いつも寮の前で会って、登校する流れなのである。 ちなみに明ちゃんはこの学校で俺と仲良くしてくれる数少ない友人だ。 『私立 雪ノ丘学園』 巨大な門の側にある大理石か何かわからないが超高そうな石にその文字が掘られている。 そう、ここは小学校~高校までエスカレーターの超超超お金持ち学校。学校は市街地より離れたところに超ドデカイ土地を所有し、そこにはドデカイ寮があったり、ドデカイ体育館があったり、ドデカイ校舎があったりドデカイグラウンド、ドデカイパーティー会場、コンサートホール、ドデカイ食堂・・・・etc とりあえず全てがビックで豪華で金持ちスタイルなのである。しかも男子校。そう男子校!!!大事なので二回言った。 つまりは、閉鎖的な空間がそこにはあった、ということだ。畜生!!!! 俺、島谷千里(しまたに ちり)はこの学校に高等部から編入してきた。なぜここに来たか、その理由は特待生はすべてに置いて全額免除だからだ。 その全てというのは、教育費やら制服代やら寮でかかるいっさいのお金のこと。唯一かかるのは食費だけなのだ。 行こうと思ったきっかけは、中学の先生に「お前ならあの『雪ノ丘学園』に行ける!!!いや、むしろ行けぃ!!!」と死地に兵士を送り出す将軍のような御言葉をもらったのと、 母親が女手ひとつでここまで育ててくれていて、それを少しでも楽にしたかったのが大きい。上の姉貴が国立の医学部にいったからその学費もバカにならないはずだし。 行けるなら、お金を使わない道が一番だ。
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