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窓の向こうの遠くに、ロスのダウンタウンの灯りがキラキラと瞬いて見える。
ローテーブルに置かれたワインボトルはもうほとんど空になっていた。
ふわぁ、と理佐が小さなあくびをした。
「眠くなった? もう休もうか?」
「うん……、あ、でもずっと聞いてみたいことがあったんだけど」
「何?」
「えーと、その、怜っていつ私のことを好きになったの?」
「ええっ?」
もぞ、と隣で彼の動く気配がした。
「なんだよ突然」
「突然じゃないよ、ずっと知りたかった」
「…………」
「教えて?」
「さあ、いつだったかなあ」
「覚えてないの!? 」
「うーん、はっきりとは……」
「えー、信じられなーい。私ははっきりと覚えてるのに」
ぶん、と理佐が怜の方に傾けていた頭を向こうに向けてしまった。
おいおいおいおい。
女ってのはどうしてそんな過去の事なんか知りたがるんだろう。今、滅茶苦茶に惚れてるんだからそれでいいじゃないか。
そう思ったが、仕方なく怜は記憶の蓋をこじ開けてみた。
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