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「…………」
あれほど理佐はアメリカで頑張れと何度も言ってた怜が、1か月離れるのだってもう嫌だって言うだなんて。
びっくりしたのと嬉しいのとでなんと言っていいのか理佐が混乱していると、不安気な声が聞こえた。
「……ダメか?」
「う、ううん、ダメじゃないよもちろん、えっと、あの、」
「もしそうしたほうがいいなら、日本に行ってすぐ理佐の両親に挨拶に行く」
え、ちょっと待って、それって。
「結婚を前提にしてるって言えば、理佐の両親も一緒に住むことについて安心してくれるんじゃないか」
「怜……」
そんなふうに考えてくれてたなんて。
思わず潤みだした目に怜はさらに焦って、「え、なに、どうしたんだよ」 とグラスを脇に置いて理佐の頬に手で触れた。
「まさか嫌とか、」
「違う違う違う、嬉しいの!」
理佐も自分のグラスを置いて怜の首に抱き着いた。
「行く! 怜と一緒に! 行く! 」
そう叫ぶや否や、ぎゅっと彼の腕が自分を抱き寄せるのを感じた。
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