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『おぉ、ようやくずっと一緒になるんですね! ラブラブですね! 』
仕事はデキる人なんだが、どうも彼との会話は脱線が多すぎる。
「どしたの?」
廊下でまた足が止まっている怜に理佐が声をかけた。
「いや、別に」
回想モードから頭を切り替えた怜は、しかし何か違和感を覚えた。
そうだ。
こんなにしばらくぶりに息子が来たというのに、父も義母も玄関に出迎えにすら来なかった。
父とはヨーロッパ出張直前の慌ただしい時に会っているとはいえ、普通こういう時は出迎えるものなんじゃないのか?
それとも、もしかして俺は歓迎されてないのでは……?
けれど少し前を行く理佐はそんなことはまるで気にしてないというふうに、どんどん廊下を奥へと進んでいった。
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