アメリカ編: 何度でも

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静けさを訝しがりながらも、怜は廊下の突き当りにあるファミリー用のダイニングルームへと足を踏み入れた。 その途端、拍手と歓声と共に、パパパパーンと何かが鳴る音がした。 (なんだこれ、クラッカー!?) 『ウェルカム、レーイ!! 』 『ようこそー!! 』 『ハッピーバースデー!! 』 『ハッピーニューイヤー!』 呆気に取られている怜の目に、興奮のあまりなのか男の子がはしゃいで椅子の上に立ち上がるのが見えた。 もしかしてあの子が末っ子のジェイという子なんだろうか? そう怜が思った時、その子の体が揺らいだ。 『ギャッ』 『危ないよ、ジェイ!』 よろけそうになったジェイが何かを掴んだ。 『わわわわっ』 彼の手に引っ張られてひも状のものがわさわさと天井から落ちてくる。 『あー、おいおい! 』 続いてビリビリと何かが破ける音がした。 『あー、切れちゃったー、せっかく作ったのにジェイのバカ~っ!』 兄のウィルが残念そうな声を出した。 『ごめぇん』 泣きそうなジェイの手にあるのは色とりどりの色紙で作られたちぎれた輪っかだった。 色紙で作って長くつないだ輪っかを手に泣いている少年。 パーティのために一生懸命作った長い輪っかを…… あれはーーーー あの子はーーー 『よしてくれよ!』 言うが早いか怜はダイニングルームから廊下へと飛び出していた。
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