アメリカ編: 何度でも

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*** 「怜?」 部屋数がいくつもある海先生の家だが、理佐には彼の行先は見当がついていた。 そのドアの前で立ち止まる。ノックをしようと思うがこぶしを固めたままだ。緊張にめまいがしそうになる。 もしすごく怒っていたらどうしよう。いやむしろもっと困るのは、もし泣いていたら……? ええい。 ここで立ち止まっていても仕方がない。皆が心配している。 トントン、と小さくドアを叩くと、理佐は中に入った。 昔、彼のものだった部屋の中にはやはり今まで来た時と同じように、机とベッドが置いてあるだけだった。 そして怜はーーー シーツもかけていないベッドに腰掛けて、こちらに背を向けて窓の外を見つめていた。 理佐が入ってくる気配にも振り向かず、ただ外を凝視していた。
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