アメリカ編: 何度でも

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「これもあけてみて」 理佐に言われて次に怜があけたのは、子供の身長の3分の1くらいはある本格的な水鉄砲(ウォーターガン)だった。 水鉄砲(ウォーターガン)は10歳の夏のころ友達の間で流行っていて、誰かの家に遊びに行くたび派手な水鉄砲合戦になった。でも自分は持っていなかったので、いつも見ている側だった。 だけどマリアにそんな話をした覚えはない。 「これもあけて」 その次にあけたのは任天堂のゲーム機で、これまた11歳のころに流行っていたものだった。しかもこれは当時すごい人気で、なかなか手に入らないと言われていたものだった。 もちろん自分は持っていなかったから、遊び飽きた友達にたまに貸してもらって遊んでみるだけだったのだが。 あの頃の誕生日プレゼントがまだ取ってあっただなんて。 というかそれより…… 「怜は、誕生日に欲しいものを聞いても何も教えてくれなかったって言ってた」 誰が、というのは聞かなくてもわかる。 「それどころか、誕生日を祝うこと自体、拒否してたって」 マリアはそんな話まで理佐にしていたのか。
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