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「でもね、マリアさんは諦めなかったんだよ。怜のことを少しでもわかりたくて、お友達のママの所に何度も行ったり、クラスで何が流行ってるのか知るために担任の先生に話を聞いたりして、」
「別にそんなことしなくてもいいだろ」
「そんな言い方……。確かにマリアさんは怜にとっては血がつながらない母親だし、アメリカに来ることになってしまったのはマリアさんがいたからなのかもしれない。でも、でも、」
理佐は胸の前でこぶしを握った。
「あの頃のマリアさんってまだ20代になったばかりだったんだよね? 今の私たちよりずっと若かったんだよ。マリアさん自身、色々至らない所とか気づけないことがあったと思うと言ってらした。でもそれでも何とか怜のことをわかろうとして、受け入れてもらおうとして」
「…………」
「もしマリアさんが海先生のことを好きだというだけで結婚して、それだけでよかったのなら、若かったんだしさっさと自分たちの子供を作ってたって不思議じゃない。そう思わない?」
怜が顔をあげた。
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